【怖い話】記録的大雪に見舞われた大晦日の夜の恐怖体験とは

雑記・雑感

大雪旭川

こんにちは、しろうめず@ShiroUmezです。

僕は基本的に、心霊やら超常現象やらその手のスピリチュアルな類のものを信じていません。まぁいい歳こいたおっさんが幽霊だの超能力だの信じてるほうが稀であるとは思いますが。

いや、昔は信じていたんです・・・信じていたどころか子供の頃は大好きだったんですが(小学生時代の愛読書は「ムー」)、大人になるにつれ当たり前のように懐疑的になり、今ではすっかり朴念仁。

その手のテレビ番組や日常的な話題について、懐疑的どころか批判的ですらあります。(その手の話が大好きな妻や母を「つまらない男だね~」と呆れさせてしまうほど。)

しかし、そんな僕にもそのような心霊的な体験を、今までに何度かしてきた体験があるんです。

何度かとは書きましたが、片手で数える程度。しかもそのほとんどは、色々なものに興味を持つ多感な少年時代の話。今思えば勘違いや思い込みという言葉で済ませることができてしまうものばかり。

でも、たった一つだけ、どう考えても納得のいかない、自分の頭では到底理解することの出来ない奇怪な出来事があるんです。

今日はその時のお話でも。

 

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記録的な大雪

今から4年前の大晦日の日、我が町は記録的な大雪に見舞われていた。

1940年(昭和15年)に観測が開始されて以降最多の積雪量となる雪が、たった一晩で降り積もったのだ。

雪撮影妻

(あまりの降雪量にはしゃぎだし、アパートの室内からその様子を撮影する妻)

ちょうどそれは、妻と結婚し数年が経ち、お腹の中の長女が安定期に入った頃。予定日を翌年5月に控え、二人でその日が来るのをまだかまだかと待ちわびていた頃のことだった。

前日の夜から降り始めた雪

年末恒例の、友人2~3人で集まる小規模忘年会に出掛けたのがこの日の前夜。雪はこの忘年会のときからしんしんと降り始めていた。

お互いの生存確認をし、他愛のない話でいつもと同じように盛り上がり、居酒屋から出てみると既に真っ白な銀世界。ポカポカと火照った頬を冷ましながら、妻の待つ家路についたことを憶えている。

2010年12月31日

二日酔いの朝、目を覚まそうと窓を開けると、相変わらずじゃんじゃんと振り続けている雪。

元々雪の多い地方ではある。しかし今回の降雪量は凄い。いや、ちょっと尋常ではない降り方である。30数年この地に住み続けている僕は、この時の降雪の異常さを、肌で感じ取っていた。

毎年恒例夫の作る年越しそばの材料を、前日に買い終えていたのは正解だった。昼過ぎには車を出すのも困難なほど、雪が降り積もっていたからである。

じゃんじゃんと

ちょっと裏の用水路の様子を・・・みたいな危険なフラグを立てるつもりは全く無かったが、あまりにも凄い降雪量に半ばワクワクしながら、妻に「散歩してくる」と告げた。心配する妻を尻目に夕食後、玄関の外へ。

開けてビックリ、目の前に壁。真っ白で巨大な壁。

玄関開けてすぐの足元は、庇のおかげでなんとか歩けるものの、1メートル先はもうただの雪でできた壁である。

アパートの他の住人が作ったのだろうか?何とか人一人分歩ける雪道が、表道路まで作られていたのでそこを通った。

既に腰近く積もっている雪を足で掻き分け、目的もなく歩いた。

2011大晦日の夜

立往生する車

(前に進むことも、後ろに下がることもできず立往生している車。近くまで行ってみると、運転者は居なかった。誰かに助けを求めて既に車から離れていたようだ。)

 

年明けに起きた恐怖

それ以上進むことに身の危険を察知した僕は、積雪と降雪に抗いながらもなんとか身をひるがえし、急いで帰宅することに。

玄関にできていた小さな雪道は、既に新しい雪で埋まりかけていた。

「どうだった?雪」

心配そうに聞いてきた妻に、興奮しながら現状を伝える。

「凄かった。今まで見たことも無い量が、今もまだ降り続けてるよ!」

そう話した後の、やや曇った妻の表情を見て、ただはしゃいでいた自分が急に恥ずかしくなった。恥ずかしさと共に、言いようのない恐怖を感じ始めたのもこの時からだった。

「このままじゃ、明日買い物にも初詣にも行けないね・・・。」

年越しそばを作り、共通の趣味であるオンラインゲームを二人で遊び、お酒を呑みながら楽しく過ごす。なにしろ明日は正月である。僕たちの希望がこの世に産声を上げる年の、幕開けの日なのである。

そんな日に抱いてしまっていた言いようのない恐怖心を何とかかき消したかったからか、いつも以上にハイテンションに過ごした大晦日。妻も同じくテンションが高かった。

午前0時をまわり、お互いに新年のご挨拶。今年もよろしくねと言い合い、床に就いた。

真夜中の訪問者

ピン・・・ポーーーン

乾いた部屋にチャイムが鳴り響いたのは明け方、午前3時過ぎ。

隣を見ると、布団を頭からかぶっていた妻は震えていた。

目を覚ましたのか覚めていたのかはわからない。目をやった時には既にただただ震えていた。

その様子を見た僕も、勿論震えていた。

カーテンを閉めているので当然確信は出来ないが、僕たちが寝る前と同じように雪は降り続いている雰囲気を感じることができた。もうきっと、外は歩くこともできない。

妻は嫁いできてまだ間がない。当然友達も少ないし、こんな時間に訪ねてくる知人だっていない。ましてやこの日は年の変わり目、新年を迎えたばかりである。常識的に考えて、来訪者がいるはずもない。

風・・・?

いやいや、風など吹いていない。それに台風のときだって嵐のときだって、何かのはずみで玄関のチャイムが鳴ったことなど一度も無い。

恐怖はピークに達していた。必死に考えた。考えても考えても納得できない。チャイムの説明がどうしても付かない。

数分後意を決し、僕は布団から出た。妻は相変わらず震えながら、必死で僕を止めた。でもどうしても僕は玄関を開けなければならなかった。

それは、もしかしたら雪で遭難しかけた誰かが、必死の想いで助けを求めに来たのかもしれないという、最終的に僕の頭に残ったほんのわずかな可能性を捨てることができなかったからだ。

玄関を開けると、そこにはただの雪の壁。夕方より更に高くなった壁が、そこにはやはりそびえ立っているだけだった。

 

おわりに

以上、僕が唯一忘れられない程の恐怖を感じた、ある年の瀬の体験談でした(実話)。

雪が降る季節が近づくと、いつも思い出す。

あの日の来訪者は誰だったのか。なんのために、我が家のチャイムを鳴らしたのか。

今でもわかりません。

おまけ

車が雪に埋まる

翌朝(2011年1月1日)撮影。雪に完全に埋まり放置された車。

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